Kuhonji
Children's
Garden子どもを地域で育む
この計画は、東北大震災の被災地の幼稚園の建て替え計画である。内陸であるこの地には、避難のために多くの人が移り住んでいて、震災以後、人々の関係や地域の風景が大きく変わりつつあった。そこで、子どもを地域一体で見守り、育てていける、新たなコミュニティーの拠点が必要なのではないかと考えた。
幼児や園児の他に、学童の子どもたち、習い事に来る子どもたちなど、様々な年代の子どもたちが、大きな一枚の屋根の下に集い、「学び」と「遊び」の中で成長でき、その成長を地域が見守れる環境を提案した。
保育室の周りには、スロープやデン、ネット遊具、水遊び場に屋外広場など、身体を使った創造的な遊びの場を積極的に街から見える位置に散りばめ、元気に園舎の周りを駆け回って遊ぶ子どもたちの賑わいが、街に広がっていくように計画している。
子どもたちにとって建物全体が遊び場となり、地域の活動を遊びの中で自然に感じることができる。
これらの身体を使った「遊ぶ場」と、集中して学習する「学ぶ場」としての保育室の間に、日本の伝統的な「内土間」を静と動の中間領域として設けて、子どもたちが「遊び」と「学び」を心理的に切り替えて学習ができるようにしている。
住宅が隣接しているため、園舎の圧迫感を与えない様に、隣接する住宅よりも建物を低く抑えながら、子どもたちのメインの保育環境となる二階を伸びやかな空間とする必要があった。そこで、園舎の屋根に外に向かって広がる勾配をつけることで、室内からの視線が天井に沿って空へと広がり、勾配天井に反射した柔らかい光が室内に取り込まれ、明るく伸びやかな保育環境とした。夕暮れになると、園の明かりが勾配天井に沿って外に広がり、地域を照らす明かりとなる。
場所:福島県いわき市
用途:認定こども園
構造形式:2階 鉄骨造
建築面積:954㎡
延べ床面積:1,398㎡
※アトリエ9建築研究所と協働
Location : Iwaki, Fukushima, Japan
Program : Certified Children's Garden
Structural Type : 2F Steel Construction
Building Area : 954㎡
Floor Area : 1,398㎡
* Collaboration with Atelier 9 Building Research Institute